このページは、全国鯉釣り協会(略称、全鯉協)東日本ブロックから、『全国鯉釣り協会』会報の利用許諾(2次的創作・利用の黙示の許諾を含む)及び会員からの投稿記事を受けて作成しております。
その他に、管理人独自の取材情報を基にしておりますのでご承知おきください。
遠近法を意識した「釣果写真」の上手な撮り方
全国鯉釣り協会 東日本ブロック 事務局・広報担当
紫峰釣友会 岩ア 寿久
釣果報告の際の写真の撮り方に関して、『遠近法を意識した「釣果写真」の上手な撮り方』として、全鯉協2018年会報に掲載しました。
その内容を、実証してみました。
実証するのに使用したカメラは、下の3機種です。
コンパクトカメラ:CASIO EX−ZR 500 焦点距離(35o換算) 約24〜300o
コンパクトカメラ:OLYMPUS EF−4050 焦点距離(35o換算) 約27〜108o
ミラーレス一眼:OLYMPUS OM-D E-M5 15〜50o
E-M5は、マイクロフォーサーズというサイズのセンサーを付けているので
焦点距離×2=フルサイズ(35o)に換算した焦点距離となるので、約30〜100o
一般に、焦点距離の数字が小さいほど「広角」となります。
では、この3機種のカメラを使い、いろいろな条件で撮影した写真を下に掲載します。
何が違うのか? 確認しながら見て行ってください。
※ 距離:標準撮影での「カメラレンズから鯉までの距離」
距離 | CASIO EX−ZR 500 | OLYMPUS EF−4050 | OLYMPUS OM-D E-M5 |
---|---|---|---|
35p | 標準撮影![]() ズーム撮影 ![]() | 標準撮影![]() ズーム撮影 ![]() | 標準撮影![]() ズーム撮影 ![]() |
18p | 標準撮影![]() ズーム撮影 ![]() | 標準撮影![]() ズーム撮影 ![]() | 標準撮影![]() 標準撮影限界距離から撮影 ズーム撮影 不可 |
11p | 標準撮影![]() ズーム撮影 ![]() | 標準撮影![]() 標準撮影限界距離から撮影 ズーム撮影 不可 | 標準撮影![]() ズーム撮影 不可 |
9p | 標準撮影![]() 標準撮影限界距離から撮影 ズーム撮影 不可 | 標準撮影![]() ズーム撮影 不可 | 標準撮影![]() ズーム撮影 不可 |
標準撮影のままで、可能な限り近づいて撮影した写真をカメラの違いで比較してみましょう。
※焦点距離約24oのコンパクトカメラ:CASIO EX−ZR 500が9cmまで近づけたのに対して
焦点距離約30oのミラーレス一眼レフ:OLYMPUS OM-D E-M5は18cmまでしか近づけなかった。
CASIO EX−ZR 500 | OLYMPUS EF−4050 | OLYMPUS OM-D E-M5 |
---|---|---|
距離9pで標準撮影![]() | 距離11pで標準撮影![]() | 距離18センチで標準撮影![]() |
上の比較から、3機種のカメラの中で一番広角レンズをもつCASIO EX−ZR 500の人形の頭が一番小さく写り、
この人形の頭のサイズと鯉のサイズを比較して、CASIO EX−ZR 500で撮影た鯉のサイズが、
他のカメラで撮影した場合より僅かに大きく見えてしまう。
次に、撮影被写体である鯉に近づけるのに近づかずに、遠方からズーム撮影した場合を同一カメラで比較してみましょう。
比較したのは、CASIO EX−ZR 500です。
距離9p 標準撮影 | 距離18pから ズーム撮影 | 距離35pから ズーム撮影 |
---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() |
このように、近づいて撮影せずに遠方からズーム撮影すると、鯉を持つ人形の頭のサイズが大きく見えます。
これにより、近づいて標準撮影した場合と比較すると鯉のサイズが僅かに違って見えてしまう。
では、遠く離れて標準撮影した写真を、画像編集ソフトで加工して、画面いっぱいに表現したらどうなるのか?
今回も、CASIO EX−ZR 500で比較しました。
距離9p | 距離18p | 距離35p |
---|---|---|
標準撮影のまま![]() | 標準撮影のまま![]() 標準撮影画像を画面いっぱいに加工 ![]() | 標準撮影のまま![]() 標準撮影画像を画面いっぱいに加工 ![]() |
ここでも傾向は同じです。遠く離れて標準撮影たものを、画像編集ソフトで編集して画面いっぱいにしても、
上記の遠方からのズーム撮影と同じ傾向です。
以上からいえることは、
1) カメラは広角レンズ仕様のものを使うと、鯉が大きく見える撮影ができる。
2) ズーム機能は使わずに、標準撮影のままで 可能な限り鯉に近づいて撮影すると、鯉が大きく見える撮影ができる。
更に秘策があります。
撮影時に、
可能な限り腕を前に伸ばす
ことです。
右の人形を見てください。添え木を使って 人形の腕を伸ばしています。
このようにして撮影したのが右下写真「良い撮影」です。
悪い撮影 | 普通の撮影 | 良い撮影 |
---|---|---|
@広角でないレンズを使い A遠方からズーム撮影する。 ![]() OLYMPUS OM-D E-M5 |
@広角レンズを使い Aズーム撮影せず出来るだけ近づいて撮影する。 ![]() CASIO EX−ZR 500 |
@左の撮影条件を使い A鯉を持つ手をできるだけ前に出して撮影する。 ![]() CASIO EX−ZR 500 |
※ 上の3枚の写真を比較すると、左端の写真が70pクラスの鯉で、右端の写真はメータークラスの鯉に見えます。
まるで違う鯉のようです。
どうですか、同じ鯉でも、どう撮影するかで こんなにも違って見えます。
手持ちのカメラは容易に変える事が出来ません。撮影の工夫で大きく見せましょう。
1.カメラに関係なくできる事。
@ 鯉を持つ手は、可能な限り前に突き出しましょう。
A ズーム機能は使わずに、標準撮影のままで 可能な限り鯉に近づいて撮影しましょう。
2. 出来れば、カメラは広角レンズ仕様のものを使いましょう。鯉が大きく見える撮影ができます。
悪い撮影 | 良い撮影 |
---|---|
@広角でないレンズを使い A遠方からズーム撮影する。 ![]() OLYMPUS OM-D E-M5 |
@広角レンズを使い A鯉を持つ手をできるだけ前に出して Bズーム撮影せず来るだけ近づいて撮影する ![]() CASIO EX−ZR 500 |
@ 右手で鯉の頭を持ちましょう! 釣果写真のほとんどが向かって左に鯉の頭があるように撮影されています。。
A 遠近法を意識し、鯉を持つ手を可能な限り前へ突き出して、体から離そう!
右手で鯉の頭を持ち、魚は目いっぱい前に突き出してください。
遠近法の関係で、手前の魚が大きく、奥の釣り人の体が小さく見える効果があります。
B ズームは使わずに、できるだけ鯉に近づき画面いっぱいに魚体を入れましょう! カメラの標準撮影状態を実線で表しました。
この位置で、画面いっぱいに魚体を入れようとしてズームで撮影したイメージを一点破線で書きました。
この状態で撮影した画像は、魚と人の位置関係から、大きな人の体に対して鯉が小さく見えてしまいます。
ズーム機能を使わずに、カメラを近づけましょう。
C鯉と釣り人の顔の高さをできるだけ近付け、鯉が顔の近くに写るようにしましょう!
鯉と顔の高さをできるだけ近付け、顔から離れている魚が、顔の近くに写るようにします。
腕が下がっていると、伸ばしている腕が写真に写ってしまい、伸ばした腕の長さが強調され、顔と鯉が離れてしまったように感じる写真となります。
D それでも、カメラは広角レンズのカメラには勝てない。
定義はないが標準レンズ(画角が50°前後)に比べ広い画角をもち広範囲が写せる短焦点距離レンズ
(35o判では一般的に焦点距離24〜35mm程度のレンズ)を広角レンズという。
室内で多数の人物を撮影したり,大きな物体を近距離から写すのに適する。
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